クリーク・アンド・リバー社、最大積載量55kgの機体活用
人材紹介・派遣などを手掛けるクリーク・アンド・リバー社(C&R)は5月29日、三井金属資源開発(MINDECO)が群馬県の山間部で4月5~10日に実施した地熱調査の取水設備設置に協力し、7.1t分の資材(ポリエチレン管、水中ポンプ、エフレックス管、分電盤、単管パイプなど)を、最大積載量55kgの大型ドローンで運搬したと発表した。
作業は3.5日で完了した。C&Rは人力やヘリコプターなどを使った運搬と比べて、大幅に工期とコストを削減できた上、作業員の負担やつまづき事故の危険性を軽減、安全性向上に貢献したと強調している。
ドローン運搬はパイロット2人、補助1人、監視員1人の体制で展開。標高1400mの山中で、距離220~830mを195回フライトした。
地熱調査における取水設備のドローン運搬 概要
MINDECOは当初、100人以上の人員やヘリコプター、モノレールを投入することを検討していた。しかし、ヘリコプター輸送は高額な上、作業場所近くにピンポイントで荷物を下ろすことができず、樹木伐採も広範囲で自然環境に対する懸念があった。
モノレール輸送は事前の環境調査や造成工事に時間を要し、全体のスケジュールにも影響が出てしまうことから、安全と環境に配慮しつつ工期とコストの削減が見込めるドローンを使った運搬に踏み切った。
現在、山間部での送電線・基地局・ダム・法面工事など、車両では入れず作業員が荷物を担いで運ぶことも難しい現場において、運搬用ドローンの導入が急速に進んでいる。C&Rは2018年にドローン事業をスタートし、早くから大型ドローンでの重量物運搬実績を多数重ねてきた。
今後も業務分野や地域に合わせ、ドローンメーカーや操縦士とのネットワークを生かし、運搬や点検・調査、空撮、ショーなどのプロデュースに参画していきたい考え。
(藤原秀行)※いずれもC&R提供