「過疎地」限定を見直し
国土交通省は5月30日、バスやタクシーが荷物を運んだり、貨物用車両が旅客を乗せたりする「貨客混載」を、6月30日から全国で可能にすると発表した。5月30日付で全国の自治体などに通達を出した。
これまでは乗合バス(路線バス)事業者は全国で可能だったが、貸切バスやタクシー、トラックの事業者は過疎地域または過疎地域とみなされた区域で、人口3万人未満の市町村に限って認めてきた。
2021年4月、複数の地方公共団体がスーパーシティ提案の枠組みを通じて貨客混載制度の規制緩和を提案。その後、政府の国家戦略特別区域諮問会議で「貨客混載に関わる現行制度下ではカバーできない具体的なニーズ等について、全国的なアンケート調査等を踏まえ対応を検討し、令和4年度(2022年度)中に結論を得て、令和5年度(23年度)に速やかに必要な措置を講ずる」ことを決めていた。
国交省が内閣府地方創生推進事務局と共同で実施した調査を踏まえ、過疎地域以外でも貨客混載のニーズが一定程度確認できたため、規制を大幅に見直すことにした。今後、生活必需品などの物資輸送の効率化・サービス多様化が期待できる。
貨客混載は事前の許可取得が必要で、期限は2年間。運行管理者の配置なども求める。
(藤原秀行)