国交省、海貨業者の利便性向上図る
国土交通省は5月20日、物流や行政関係など港湾関連の諸手続きの電子化システム「サイバーポート」で、6月2日から東京港青海A4ターミナルと横浜港本牧BCターミナルを対象に、これまでのデマレージ料(輸入コンテナをフリータイムが過ぎてもコンテナターミナルに留置した場合に課せられる超過保管料)の問い合わせなどに加えて、実入りコンテナの搬入・搬出などのターミナルへの手続きをサイバーポートで一元的に済ませられるようにすると発表した。
東京港青海A4ターミナル運営者は鈴江コーポレーション、横浜港本牧BCターミナル運営者は横浜港メガターミナル(山九・鈴江コーポレーション・住友倉庫・東京国際埠頭・三菱倉庫)。
東京港青海A4ターミナル及び横浜港本牧BCターミナルは2023年、サイバーポートの「ターミナル問い合わせ機能」(デマレージ料の問い合わせなど)に対応を開始。直近の利用率は95%に達するなど、海貨業者・ターミナル双方の業務効率化を後押ししている。
ただ、実入りコンテナの搬入・搬出などについては、ターミナル運営者のウェブサイトでのみ対応しており、海貨業者はサイバーポートとターミナル運営者のウェブサイトを使い分ける必要があり煩雑だった。そうした状況を6月2日以降は解消、利便性の向上につなげられると見込む。
国交省は今後、全国の他のターミナルにも導入を促していく構え。
横浜港本牧BCターミナル・東京港青海A4ターミナルにおけるサイバーポートとの連携状況
黒字:連携済み、赤字:6月2日に連携開始
分類 | コンテナターミナルへの主な手続 | 対応するCyber Portの機能・帳票 |
輸出 | ✓ 空コンテナの引取 | 空コンテナピックアップオーダー、機器受領書(EIR)※1 |
✓ 実入コンテナの搬入※2 | コンテナ貨物搬入票※2、 |
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輸入 | ✓ 実入コンテナの搬出 | コンテナ貨物搬出票、機器受領書(EIR)※1 |
✓ 空コンテナの返却 | ||
その他 | ✓ 各種検査申込 | ターミナル問合せ機能 |
✓ 費用支払(デマレージ料、各種検査料金等) | ターミナル問合せ機能 |
※1:機器受領書は、サイバーポートのバージョンアップ(Ver.2)に伴う対応が必要なため、令和7年10月頃の運用開始を予定。
※2:実入コンテナの搬入に関して、搬入票情報を事前照合するために必要となるCONPAS-TOS(ターミナルオペレーションシステム)
連携については、令和8年3月頃までにTOSを改修予定。
※3:両ターミナルでは、実入コンテナの搬入時及び空コンテナの返却時に機器受領書を発出していないため連携の対象外。
(藤原秀行)