【現地取材・動画】ラピュタが自動フォークリフトを公開、24年中に棚入れ作業など対応目指す

【現地取材・動画】ラピュタが自動フォークリフトを公開、24年中に棚入れ作業など対応目指す

毎時20~30枚処理、最短2カ月で現場納入可能と説明

ラピュタロボティクスは7月11日、東京都内の同社オフィスで、今年4月に発売した「ラピュタ自動フォークリフト」(AGF)をメディアに公開した。

搭載しているレーダーで自分の位置を自動的に把握するため、AGFを誘導する反射板や磁気テープなどを設置する必要がなく、既存の倉庫にも迅速に導入できるのが特徴。1時間にパレット20~30枚程度と現時点で人間による作業時の半分ほどの処理能力を備えている。

既に企業から受注しているほか、公表済みの鈴与や安田倉庫のように実際の物流現場にトライアルで導入、効果を検証しているケースも複数あるという。現在は倉庫屋内で定点間の搬送に投入することを想定している。ラピュタは改良を進め、2024年中には棚入れ作業などにも対応できるようにしたい考え。


ラピュタ自動フォークリフト

AGFは三菱ロジスネクストのフォークリフトの車体をベースにしており、ラピュタが自動走行のための機器やソフトウェアを開発した。最短2カ月程度で現場に納入できると見込む。

搭載のセンサーで障害物を検知、自動的に停止するほか、AGF自体にも緊急時に走行を止められるボタンを設置、安全に配慮している。

また、複数のAGFを同一の現場に投入しても、効率良く運用できるよう「群制御」を可能にしている。ラピュタは、パレットは一部を除いて基本的にどのようなサイズでも対応可能とみており、1台のAGFで8時間程度稼働できる上、夜間の自動走行も実施できると説明している。

ラピュタはAGFの利用シーンとして、倉庫内で入荷した商品を仮置き場から垂直搬送機に運んだり、工場の生産ラインのコンベアから出てきた製品を検品場に届けたりすることなどを列挙。24年の中頃をめどに、ネステナーへ商品を格納したり、棚から商品を取り出して仮置き場へ搬送したりする用途でも実際の物流現場で試験的に実施するところまでこぎ着けることを目指している。

ラピュタで自動フォークリフト事業の責任者を務めている有元啓祐氏は、現状では人件費の抑制などで、現状のAGFの機能でも投入から5年で投資分の回収が可能な現場が多いと説明、自信を示した。

(藤原秀行)

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