【動画】「顔認証決済」可能な次世代コンビニの実証実験

【動画】「顔認証決済」可能な次世代コンビニの実証実験

ファミリーマートとパナソニックがメディアに店舗公開

ファミリーマートとパナソニックは4月2日、横浜市内で、IoT(モノのインターネット)など先進技術を積極的に活用した次世代型コンビニエンスストアの実験店舗「ファミリーマート佐江戸店」をメディアに公開した。

顔認証技術を駆使し、利用客が店員なしで商品を自動的に決済できるサービスを試験的に導入するなど、省人化と利便性向上を両立させられるかどうかを見極める。

パナソニックはグループで製造業や物流業、流通業の現場業務効率化・最適化をサポートするソリューション「現場プロセスイノベーション」に注力する方針を打ち出している。ファミマとタッグを組み、流通業の課題解決に貢献していきたい考え。


実験店舗で開かれた関係者によるテープカット。左から3人目がファミリーマートの沢田貴司社長、同4人目がパナソニック コネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長

顔認証は、事前に顔写真とクレジットカードの情報をシステムに登録しておいた人が専用機器に顔をかざすと入り口のゲートが開いて入店を許可。選んだ商品を会計用のテーブルに置くと天井のカメラが識別して支払い額を確定、再度顔認証を行って決済を行うとの流れだ。

レジの無人化で業務負荷を大きく減らす狙いがある。顔認証決済は当面パナソニックやファミマの従業員だけを対象に実施、成果と課題を探る。

併せて、店内の各所に取り付けたカメラやセンサー80台が、棚にあるカップめんなどがなくなると店員の腕に付けたウエアラブル端末に補充を求めるメッセージを表示、対応を促す「業務アシストシステム」を設置。欠品を回避して顧客満足度を高めるとともに店員の負荷軽減を図る。同時に来店客の動向などの情報も収集・分析し、品ぞろえや店舗のレイアウトに反映させていく構想だ。


天井などに取り付けられたセンサーやカメラが店内の商品状況などを監視

欠品が生じると店員が身に付けたウエアラブル端末の画面に表示して知らせる





他店舗への早期展開目指す

他にも、マイクに向かって話した言葉をリアルタイムで翻訳する専用デバイスを備え、日本語が話せない外国人もスムーズに買い物できるようにしたり、価格の表示や販促メッセージを自由に変えられる「電子棚札」約3000枚を使ったりと、パナソニックグループの持つさまざまな技術をベースにしている。


マイクに話した言葉をすぐに翻訳できるデバイス

同店舗で顔認証による決済を体験したファミマの沢田貴司社長は「コンビニ業界の人手不足は待ったなしの状況となっている。すぐに利用できる技術も多く、できるものは(他の店舗にも)スピーディーに展開していきたい」と次世代型店舗の実用化と普及へ強い意気込みを示した。

パナソニックの社内カンパニー、コネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長は「店舗のリアルな環境で実証実験を行うことで、修正すべきポイントを明確にしていきたい」と強調した。

(藤原秀行)

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