藤井マネージング・ディレクターが説明、ハンズフリー端末活用
ドイツのリモート接続サービス大手TeamViewer(チームビューワー)の日本法人TeamViewerジャパンは7月20日、日本市場の事業戦略に関する説明会を開催した。
昨年12月、日本担当のマネージング・ディレクターを務める藤井一弘代表取締役は、重点的に取り組む領域として、工場の保守・保全などと並んで、倉庫・物流現場の改革を挙げ、入庫・出荷など現場作業の効率化と精度向上、継続的改善を後押ししていく姿勢を強調。「テクノロジーで徹底的な改革をご提案していきたい」とアピールした。
説明会に臨む藤井氏(TeamViewerジャパン提供)
チームビューワーは倉庫内で作業スタッフが身に付けているハンズフリーの端末に、ピッキングすべき商品を映し出すなど、作業を遠隔から指示することで、作業ミスの回避と効率向上を図っているのが特徴。グローバルの2022年売上高は約5億6600万ユーロ(約790億円)に上る。
藤井氏は日本について「ホワイトカラーの生産性向上は様々なITツールを使うことで、この十数年かなり成果が出てきている。しかし、生産や流通、医療などの現場の人たちの働き方はまだデジタル化ができているとは言えない」と指摘。
「特にフォーカスしたいのは季節によって運ぶものが変わってくるし、大きさも変わるし、自動化ができない倉庫。入出庫するケースはどうしても人が商品を棚に入れて出荷手続きをしたりと、必要な人手が膨大になる」との見解を示し、スマートグラスやタブレット端末などを使った遠隔支援で作業の効率を改善できる余地が大きいと期待をのぞかせた。
併せて、倉庫業務の効率化で、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴い物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」の解決に貢献していきたいとの考えを示した。
(安藤照乃、藤原秀行)