商業施設や物流施設の完成イメージ、メタバースで3Dモデル投影

商業施設や物流施設の完成イメージ、メタバースで3Dモデル投影

大和ハウスが新技術開発、内装や家具類の色変えも瞬時に可能

大和ハウス工業は8月22日、3次元で設計図を作成する手法「BIM(Building Information Modeling)」を活用し、商業施設や物流施設などの建物の完成イメージをメタバース(仮想空間)に3Dモデルで投影する技術「D’s BIM ROOM(ディーズビムルーム)」を開発したと発表した。

新技術はVR(仮想現実)などのソフトウエア開発を手掛ける南国アールスタジオ(東京都渋谷区神宮前)、大和ハウスグループで建材管理のクラウドサービス「truss(トラス)」を展開しているトラス(東京都千代田区富士見)と連携して開発した。

施主がパソコンやタブレット端末、ヘッドマウントディスプレイなどのデバイスを使い、建設予定地でメタバースに設けている「D’s BIM ROOM」に入ると、実寸大の外観イメージや色合いなどを実物に近い形で確認することができる。遠隔地から「D’s BIM ROOM」に参加し、屋内に取り付ける家具類の選択や内装の色決めなどの打ち合わせをすることも可能。


「D’s BIM ROOM」で建設地に3Dモデルを投影、確認するイメージ(大和ハウス工業提供)

BIMで作成した建物のデータと、trussで選んだ建材のデータを組み合わせ、メタバース上に投影する。「D’s BIM ROOM」で内装の色などを自由かつ瞬時に変更、基になっているBIMや建材のデータに変更内容を反映できる。

大和ハウスは「D’s BIM ROOM」を活用することで、施主がより正確に建物のイメージを把握できるようになり、顧客満足度を高められると期待。工事を受注する大和ハウスグループとしても建築プロジェクトの負荷軽減と迅速化につなげられると見込む。

打ち合わせには、通信環境にもよるが、最大で50人が同時に参加できる見通し。

大和ハウスは9月以降、自社グループで建設する商業施設や物流施設などで「D’s BIM ROOM」を取り入れ、効果を検証。順次導入していく予定。

(藤原秀行)

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