航空機用風洞試験設備を活用、実用化へハードル越え狙う
「空飛ぶクルマ」と物流ドローンの開発を手掛けるSkyDriveは9月6日、空飛ぶクルマの実用化に向けて、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と騒音低減に向けた共同研究に関する契約を締結したと発表した。
自社での研究に加え、JAXAの協力を得ながら「空飛ぶクルマ」の機外騒音推定技術の向上に関する研究を推進する。
JAXA大型低速風洞での音源探査試験の様子
空飛ぶクルマの実用化には機体の安全性と環境に対する基準を満たし、機体の「耐空性」を証明する必要がある。現在開発を進めている機体は、騒音源となるロータ径や配置、システム構成などが従来の回転翼機とは異なる特徴を持つことが予想され、空飛ぶクルマの騒音を推定し評価する技術の獲得が必須となる。
JAXAは日本最大の航空機用風洞試験設備を保有し、以前から回転翼の音源探査の技術開発を進めてきた。同社はその技術を活用し、本設備で初となる空飛ぶクルマの低騒音化に向けた共同研究をスタートさせた。
役割分担
SkyDriveが開発中の空飛ぶクルマは機体のエンジンを電動化することで低騒音化を実現することが可能になる。しかし、この機体が人々の生活環境の中で離着陸し、実用化されるためには一層の騒音低減が必要。今後は今回の共同研究の成果を生かし、騒音源のロータやシステム開発をより一層推進していく構えだ。
(藤原秀行)※いずれもSkyDrive提供