経済対策にも盛り込む方針、運賃適正化へ法制化も表明
岸田文雄首相は9月28日、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」に関し、来週中に関係閣僚会議を開催し、緊急対策をまとめる考えを表明した。10月中に示す方向で準備を進めている新たな経済対策にも盛り込みたいとの意向を示した。
併せて、ドライバーの給与底上げのための運賃適正化を後押しするため、来年の通常国会に関連法案を提出する考えも明らかにした。
東京都内のトラック運送会社を視察した後、記者団に語った。
視察先でドライバーらと意見交換する岸田首相(首相官邸ホームページより引用)
岸田首相は「荷役作業の自動化・機械化、倉庫の脱炭素化、EV(電気自動車)トラックの導入の推進、再配達率の半減に向けたインセンティブの付与、トラックの大型化等によるモーダルシフト、あるいは自動運転の促進などを緊急的に取り組むべき対策として具体化して、『物流革新緊急パッケージ』を取りまとめたい」と述べた。
さらに、「制度改正に向けた構造的な対策として、賃上げ原資の確保のための適正な運賃の収受などに向けて、次期通常国会での法制化も進めていきたいと考えている」と強調した。
政府は2024年問題に関し、今年6月の関係閣僚会議で「政策パッケージ」を取りまとめた。物流革新緊急パッケージは、政策パッケージの中身をより具体化するとみられる。
(藤原秀行)