ドライバー拘束時間を年間で最大3割削減見込む
丸紅ロジスティクスとブリヂストンサイクル、パーソナルケア製品を手掛けるファイントゥデイの3社は10月12日、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」などへの対応として、異なる輸出入者間における「コンテナラウンドユース」の本格運用を共同で10月に開始したと発表した。
より環境負荷が少なく、持続可能な物流の実現をブリヂストンサイクルとファイントゥデイがそれぞれ模索していた際、丸紅ロジスティクスの商社系物流会社としてのネットワークと物流共同化の実績を活かし、3社連携によるコンテナラウンドユースのスキーム構築を図ることにした。
丸紅ロジスティクスが構築したスキームの下、中国から自転車の製品・部品を輸入するブリヂストンサイクルが使用したコンテナを、ファイントゥデイの物流拠点に直接輸送し、そのまま中国向け製品の輸出に使用することを想定している。
ブリヂストンサイクルとファイントゥデイが従来、それぞれで行っていた各社拠点と東京港の間の空コンテナ返却輸送・送り込み輸送の工程を削減、より効率的な物流を実現できると見込む。
今年8月にテスト運用を始め、安定的なオペレーションを継続できるめどが立ったため、10月に本格稼働をスタートさせた。
一般的に、異業種間でのコンテナラウンドユースはそれぞれが扱う物量や立地など各種制約によりコンテナマッチング率向上は難しいとの見方が強い。3社はブリヂストンサイクルとファイントゥデイの物量の親和性、相互協力体制、丸紅ロジスティクスが2社用に設置したコンテナのデポプールをそれぞれ活用し、安定的オペレーションを実現させた。
2社の想定CO2排出量は、取り組みを行わなかった場合に比べ最大24%(年間約160t)、ドライバー拘束時間は同じく最大30%(年間約6600時間)の削減を見込む。今後、運営課題を解決しながら、60~80%の高いコンテナマッチング率実現に向け運用を本格化させる。
取り組み概要図(3社提供)
(藤原秀行)