【独自取材】エフピコグループが追究する次世代物流(前編)

【独自取材】エフピコグループが追究する次世代物流(前編)

改善策競う発表会で若手スタッフが奮起

食品トレー容器大手のエフピコは3月27~29日、東京・有明の東京ビッグサイトで、自社の新製品を取引先へ大々的にPRする展示会「エフピコフェア2019~未来のための原点回帰~」を開催した。今回はスーパーマーケットのバイヤーらに約1400アイテムをお披露目した。

単にトレー容器を展示するだけではなく、実際に肉や魚、果物など本物の食材を盛り付け、店舗に配置する什器に陳列することで売り場を再現。どれほど見栄えが良くなるかやいかに消費者の購入意欲を高められるかを来場者が体験できるよう配慮する力の入れようだ。POP作成や売り場づくり、季節ごとのメニューなどの提案にも踏み込んでおり、その精力的な活動はメーカーという言葉のイメージにとどまらない。


大勢が詰め掛けた「エフピコフェア2019」の会場

新製品は店舗と同じ状態で陳列

同社はメーカーとして使い勝手向上や環境負荷軽減に配慮した新製品の開発に加え、日々の物流のオペレーションにも自社で責任を持ち、継続してレベルアップに取り組んでいるのが大きな特徴だ。展示会でも物流変革の取り組み状況を細かく説明したブースを設置、「確かな供給力」とアピールしていた。

物流現場の日々の業務を担う核となっているのが、物流子会社のエフピコ物流とアイ・ロジックだ。ブースで盛んに情報発信していた両社の取り組みは従業員の意識向上、庫内業務の自動化・無人化、災害に備えた安定供給確立など多岐にわたっていた。ロジビズ・オンラインで各項目を2回に分けて紹介する。


物流変革の取り組みと成果をアピールしたブース

18年は各センターから44チームが予選参加

ブースの中では「若いアイデアで革新する発表会」の掲示がまず目に飛び込んできた。エフピコ物流は毎年1回、全国の物流センターなどで働く従業員が日々の仕事の中で気づき、改善していった事例を、若手が中心となってプレゼンテーションし、その内容を競い合う発表会を定期的に実施している。8回目となった2018年は44チームが予選に参加、このうち15チームが本選に進んだ。

ブースの掲示タイトルが表している通り、発表会には若手従業員の育成を図るとともに、成功事例を各拠点へ横展開していくとの狙いがある。発表会の本番には親会社のエフピコからも発表を見ようと参加しているという。

ブースでは18年の発表会の模様が、映像やパネルで分かりやすく説明されていた。例えば、茨城県の関東配送センターのスタッフは昨今のトラックドライバー不足の影響で路線便の料金が跳ね上がったのに対応するため、配送コースなどを見直して自社便に切り替え、サービスレベルを落とすことなく路線便出荷を前年から2割減らすことに成功したという。

また、東京都の八王子配送センターのスタッフは、パートタイマー従業員の主体性を引き出すための施策を展開。女性のパートリーダーの数を増やし、新人育成や現場の進捗管理を任せるなど、意欲のある人がリーダーシップを発揮できる職場環境の整備を図った結果、退職者を5分の1まで大きく減らすことができたそうだ。


各センターの改善事例をパネルで紹介

LINEで見本事例の動画を共有

前向きな取り組みは単一の拠点だけにとどまらない。前述の関東配送センターと岐阜県の中部配送センターのスタッフは、異なる現場間の連携を緊密にして業務の品質を高めるという手ごわそうなテーマにチャレンジした。

作業時の荷扱いが丁寧な他のセンターの作業風景を動画で撮影、LINEでデータを共有していつでも視聴できるようにし、スタッフ間で積極的に意見交換。フォークリフトで走行しながら荷物の昇降操作をするのはやめるなどの細かい改善を互いに積み重ねていった結果、取り扱う商品の破損件数を2割以上削減することに成功した。

このほか、佐賀県の九州配送センターではAGV(無人搬送車)などを駆使したトラックへの積み込み時間半減と、出荷作業効率化によるセンター内の移動歩数削減、エフピコ本拠地・広島県の福山配送センターは入庫品を乱雑に仮置きしないなどの基本徹底による庫内作業の生産性向上をそれぞれ果たした好事例が発表された。

エフピコ物流の小泉哲社長(アイ・ロジック社長を兼務)は「職場の先輩や同僚らを前にプレゼンテーションを練習するなど、発表会に向けて準備を重ねる中で若手従業員が仕事のやりがいや変革することへの喜びを感じてくれるようになる。やはり業務を変えるには主体性を持ってもらわないと難しい」と手ごたえを語る。既に今年の発表会に向けた準備も始まっており、若手スタッフのまいた改善の種が現場で着々と育っていくことが今後も期待できそうだ。

(藤原秀行)

【独自取材】エフピコグループが追究する次世代物流(後編)

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