豪ライトシップ開発、AISデータなど活用
横浜市は10月31日、横浜港の脱炭素化を促進するため、オーストラリアのRightShip(ライトシップ)が開発した、船舶からの温室効果ガス排出量を把握するシステム「Maritime Emission Portal」(MEP)を国内で初めて採用すると発表した。
MEPを活用し、船舶からの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラルポート」の形成を目指す。
MEPは船舶の自動識別装置(AIS)のデータとライトシップが独自に収集した膨大な船舶情報のデータを組み合わせて、船舶からの排出ガスを正確に割り出し、可視化する。システムユーザーは排出ガスの状況をつかみ、有効な削減対策を検討できるのがメリットで、世界各国の港湾などで導入されている。
横浜市はこれまでにも、船舶からの温室効果ガス排出量を見積もるため、国際的に採用されている原単位を用いた独自の推計方法を先駆的に採用。より正確な排出量の把握に努めてきた。
今後、米ロサンゼルス港などの海外先進港と連携し、海運・港湾領域からの温室効果ガス排出抑制を図る「Green Shipping Corridor(グリーン海運回廊)」 の形成を進める上で、排出量の定量的な比較ができる態勢を整えて推計値を検証する必要があると判断、MEPの採用を決めた。
MEPが提供するサービスの表示例(横浜市プレスリリースより引用)
(藤原秀行)