「運輸・倉庫」の景況感、10月は3カ月ぶり改善

「運輸・倉庫」の景況感、10月は3カ月ぶり改善

帝国データ調査、コロナ禍前の4年ぶり水準に回復

帝国データバンク(TDB)が11月6日公表した10月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が44.1で、9月から1.3ポイント上昇した。前月から改善したのは3カ月ぶり。

新型コロナウイルス感染拡大前の2019年10月(44.9)並みの水準に持ち直してきた。

コロナ禍の感染拡大を受けた行動規制が緩和され、経済活動が正常化したことが景況感の改善を引き続き下支えしている。燃油代の上昇に対して政府が石油元請けへの補助金支出で抑制を図っているのも一定の効果を生じている可能性がある。

全業種ベースの景気DIは10月が前月比0.3ポイント上がって44.7で同じく3カ月ぶりに改善した。TDBは今後の景況感について「海外情勢のリスクを抱えつつも、個人消費と設備投資が下支えし、横ばいで推移すると見込まれる」と展望した。

運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「国際情勢や物価高による影響。また、人手不足の問題もあり、価格転嫁が進まない中で人件費が高騰している」(梱包)、「2024年問題が本格化し拘束時間規制、ドライバー不足が顕著に現れると予想」(一般貨物自動車運送)といった声が聞かれた。

調査は10月18~31日、全国2万7052社を対象に実施、42.5%の1万1506社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は499社が回答した。

(藤原秀行)

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