JLL調査、「需給のタイトな状況続く」と予想
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が11月9日発表した福岡圏の大規模物流施設市場動向の調査結果によると、2023年第3四半期(7~9月)末の空室率は7.0%で、前期から5.8ポイントと大きく上昇した。前年同期比では7.0ポイント上がった。
3年3カ月ぶりにゼロから上昇した22年10~12月以降、上昇傾向が見られる。
ただ、ネットアブゾープション(吸収需要)は3万2000㎡で、需要は引き続き底堅いようだ。
新規供給は1棟・10万㎡超で、ストックは前期比9.2%増の119万5000㎡に及んだ。第4四半期(10~12月)には1棟の新規供給が計画されている。
大型案件の新規供給の影響で空室率が上昇しているものの、JLLは「一時的に空室は増えているが、空室のある物件の数は少なく、既存物件は高稼働が続いている。テナント内定が進んでいる開発案件も多く、需給のタイトな状況が続くと考えられる」との見解を示した。
期末の1坪当たり月額賃料(共益費込み)は3335円で、前年比0.9%、前年同期比でも1.0%のそれぞれアップとなった。JLLは「新築物件の高い賃料水準が既存物件にも波及しながら上昇が続いている」との見方を据え置いた。
新規供給の動向は「新規供給は従来から物件が供給されていた福岡IC周辺や鳥栖エリア以外にも見られ、 東京圏や大阪圏と同様に開発エリアの拡大が続いている」と分析した。
調査は福岡、佐賀の両県で2000年以降に竣工した延床面積3万㎡以上の物件が対象。
(JLLプレスリリースより引用)
(藤原秀行)