短・中距離圏内の実車率・積載率向上目指す
アサヒビールを傘下に持つアサヒグループジャパンとNIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）は11月24日、安定的な鉄道貨物輸送の実現に向け、新たな協業を12月1日に開始すると発表した。
従来はNXHD傘下の日本通運が「緊締車」と呼ばれる鉄道コンテナをそのまま積載可能な専用トラックで行ってきた貨物発着駅の集配業務を、アサヒグループ傘下のアサヒロジの車両で実施。運転に専門的な技術・資格が必要な緊締車の運転手不足の解決を図り、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」に対応する。
協業の概要
鉄道コンテナ専用トラック（緊締車）（いずれもアサヒグループジャパンとNXHD提供）
これまでは、日本通運が緊締車を使用し集荷元から配達先まで荷物を鉄道コンテナに積んだまま配送していた。緊締車の運転には専門的な技術・資格が必要で、安定的な輸送力を確保する必要があった。
そこで、短・中距離（150km圏内）のトラック輸送に強みを持つアサヒロジが貨物発着駅の集配業務を行い、鉄道貨物輸送のノウハウを持つ日本通運が貨物駅でトラックと鉄道コンテナの積み替え業務を実施。相互の強みを生かし、持続可能な物流体制の構築と輸送の効率化を図ることにした。
アサヒロジにとっては実車率と積載率の向上につながり、日本通運にとっては鉄道貨物輸送における集配業務における輸送力の確保ができるため、相互にメリットを得られる。
アサヒグループとNXHDグループはこれまでにも、環境負荷の低減および長距離トラック輸送の削減によるドライバー不足への対処を目指し、関東～九州間の共同輸送や鉄道輸送における自然災害発生時のバックアップ輸送体制の構築などを進めてきた。
（藤原秀行）
