「世界粗鋼生産能力1億トン」達成目指す、脱炭素で技術協力も
日本製鉄は12月18日、米国子会社を通じ、米鉄鋼大手のUSスチールを買収すると発表した。
同日付で株式取得の契約を締結した。日鉄はUSスチールの全株を141億2600万ドル(約1兆9800億円)で取得、完全子会社化する。買収は2024年第2~3四半期に実行する予定。
日鉄は世界全体で粗鋼の生産能力を1億トンまで積み上げる目標を掲げている。米国内向けの鋼材需要が今後も安定的に伸びると見込まれているのに対応。1901年創業で老舗のUSスチールを傘下に収め、グローバル展開を加速させたい考え。
USスチールの22年12月期の連結売上高は210億6500万ドル(約2兆9500億円)、当期利益は25億2400万ドル(約3500億円)だった。USスチールの買収により、日鉄グループのグローバル粗鋼生産能力は約8600万tまで高まる見通し。
USスチールと連携し、水素を生かした鉄鋼生産などの脱炭素を促進していくことも目指す。
(藤原秀行)