空室率は再び下落に転じるー東京圏物流施設市場調査結果

空室率は再び下落に転じるー東京圏物流施設市場調査結果

JLLが4~6月の東京圏物流施設市場調査

 JLL(ジョーンズ ラング ラサール)は8月6日、今年第2四半期(4~6月)の東京圏物流施設市場調査結果を発表した。

 期末の空室率は平均で4・4%となり、前期(2018年第1四半期、1~3月)末から0・9ポイント低下した。前期は1年3カ月ぶりに5%台へ上がっていたが、再び下降に転じた。一方、坪当たりの平均月額賃料(共益費込み)は4215円で、前期比0・6%、前年同期比でも2・0%それぞれアップした。

 JLLは物流施設の賃貸市場について「18、19年に大規模な新規供給が予定されているものの、今後も需要は堅調となる見通しであることから、空室率の上昇は限定的」と予測。賃料は新規物件、既存物件の双方でおおむね安定的に推移するとの見通しを示した。その上で「完成時の契約率は好調で、ネットアブソープション(吸収需要)は新規供給を上回る規模が記録された」と説明している。

 投資市場に関しては「投資家の関心の高さを背景に、投資利回りは一層の低下余地があるとみられ、価格はこうした状況を反映して緩やかに上昇する」と展望した。

 調査は東京、神奈川、千葉、埼玉の各都府県と茨城県南西部が対象。2000年以降に完成した延べ床面積5万平方メートル以上の先進的物流施設の利用状況を確認した。

 空室率は、東京湾岸の「ベリエリア」が前期から横ばいの0・0%、「内陸エリア」が1・6ポイント低下の6・9%となった。月額平均賃料はベイエリアが0・5%プラスの4647円、内陸エリアが1・0%プラスの3972円だった。JLLは「新規供給の賃料水準が上昇を牽引した」とみている。

 第2四半期中の新規供給は6棟で計47万2千平方メートルに上り、全体のストックは前期比で5%、前年同期比では20%のそれぞれ増加となった。期末の物件価格は前期比0・5%上昇した。

(藤原秀行)

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