調査結果公表、製造受託元や配送担ったヤマトから問題なしと報告
高島屋は12月27日、オンラインストアで販売した冷凍の高級クリスマスケーキが崩れた状態で多数購入者に届けられた問題を受け、経緯などの調査結果を公表した。
当該の「<レ・サンス>ストロベリーフリルショートケーキ」(税込み5400円)は2879個を販売し、12月16~25日にかけて配送。12月26日の午後8時時点で全体の3割弱に相当する807個に破損が見られた。この問題に関し、12月26日午後8時の段階で1207件の問い合わせが寄せられたという。同社は返金や商品交換を進めている。
また、原因に関しては、製造を受託した埼玉県の菓子メーカーのウィンズ・アーク、配送を請け負ったヤマト運輸に対して調査した結果、両社からはともに温度管理などは適切で問題はなかったとの報告を受けたことを明らかにした。
その内容を踏まえ、高島屋は「綜合的に確認した結果、誠に遺憾ながら原因の特定をすることは不可能という判断に至った」と強調。
その上で「生産から流通を含め、商品をお客様のお手元にお届けするまでが販売者である弊社の責任であり、本件に関してもお客様に対する全責任は弊社にある。また、本件の原因を特定できるような管理体制を構築できていなかったことも、弊社の問題であったと捉えている」との見解を示した。
今後の対応については「製造からお客様へのお渡しまでの管理体制の改善に向け、サプライチェーンの各段階のお取引先との関係を強化し、協働で取り組むことにより、再発防止につなげていく」と説明した。
商品の配送に関わるトラブルについては、今後の教訓とするためにも詳細な原因究明が重要な意味を持つが、短期間で「特定不可能」と結論付けた高島屋の対応には疑問が残りそうだ。
12月27日に東京都内で記者会見した横山和久代表取締役専務取締役営業本部長は「多くのお客様の期待を裏切る結果となってしまったこと、ならびに多くの消費者の皆様にご心配をお掛けし、誠に申し訳ない。深くおわび申し上げる」と謝罪。
「全社を挙げて再発防止に取り組み、より良い状態で商品を届けられるようにすることで信頼を取り戻したい」と決意を述べた。
ウィンズ・アークではいちごの入荷が遅れたため、製造時の凍結期間を昨年の2週間から今年は20〜25時間に短縮したが、凍結試験やサンプル検査で問題は見られなかったという。
(藤原秀行)