「不当な経済上の利益の提供要請」に該当と判断
公正取引委員会は2月28日、カーエアコン用部品などの製造・販売を手掛けるサンデンが、下請け企業に金型などを無料で保管させていたのは下請け法違反に当たるとして、再発防止を同社に勧告した。
公取委によると、サンデンは下請け企業に部品の製造を委託する際、同社が保有している金型や治具を貸与。その際、長期間発注していない部品の金型など計4220個を61社に無料で保管させていた。40年以上保管させていたケースもあったという。
下請け企業は保管場所を確保するため外部の倉庫を借りるなど負担が生じていた。公取委は下請け法で禁じている「不当な経済上の利益の提供要請」に該当すると判断、サンデンに対して負担額を速やかに算定、下請け企業に支払うとともに、再発防止を講じるよう要求した。
サンデンは2022年6月~23年8月の間、43社が保管していた2458個の金型などを廃棄。また、5社に対して193個の金型などの保管分相当額の一部を支払った。
サンデンは同日、「本勧告を厳粛に受け止め、ただちに対象事業者様と対象金型等の管理状況を確認の上、対象金型等を保管していただいたことによる費用に相当する額を公取委の確認を得た上で速やかに対象事業者様にお支払いいたします。また、本勧告に従い、今後の取引において同様の問題が発生することのないよう、改善活動を徹底してまいります」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)