中部~東北の輸送で達成
参加型エリアサイト「みんなの場」を提供するCUUSOO SYSTEM(クウソウシステム)は3月15日、「2024年問題」対策でみんなの場を活用し展開している、中継輸送の普及を後押しする「バケツリレー物流プロジェクト」に関し、参加している石渡運輸(茨城県阿見町)が中部地方から東北地方への物流プロジェクトで中継輸送を実現、CO2削減とドライバーの労働時間短縮で成果を挙げたと発表した。
石渡運輸は資材置き場や駐車場の空きスペースを物流の中継地点として貸し出しており、情報をみんなの場で提供している。今回はキュービクル(高圧受電設備)の保管と輸送に関わる物流会社が中部地方から東北へ輸送するプロジェクトで、茨城県取手エリアの石渡運輸スペースを貸し出す形で中継輸送を実現した。
詳細な情報は開示していないが、出発地点を名古屋市中心部、目的地を盛岡市中心部とみなしてCO2排出削減効果などを算出した。スペースの提供に加えて、依頼に応じて輸送についても一部を石渡運輸が担い、この物流会社や同社の協力会社を務める中部地方の運送会社と連携して無事輸送を完了した。
今回のプロジェクトでは、最終目的地には4t車程度の大きさの車しか入ることができなかったが、中継輸送を採用したため中部地方から石渡運輸スペースまでは10t車でまとめて荷物を運び込み、4t車に詰め替えることができた。
本来であれば中部地方から東北地方まで4t車で約100往復が必要であったところ、中部地方から石渡運輸スペースまでのおよそ半分程度の行程を10t車で約10往復に削減できているという。
CO2排出量の削減効果
輸送回数 |
CO2排出量 |
|
---|---|---|
中継輸送なし |
名古屋市から盛岡市まで833kmを4t車で100回 |
42.5t |
中継輸送あり |
名古屋市から石渡運輸までの462kmを10t車で10回、 石渡運輸から盛岡市まで485kmを4t車で100回 |
28.0t |
大きさの異なるトラック間で荷物の詰め替えを行なったことによる走行量の削減により、14.4tのCO2排出量削減(目安)が得られた。
※試算根拠について
中継輸送なし:輸送回数を名古屋市から盛岡市まで833kmを4t車で100回輸送したと仮定
中継輸送あり:名古屋市から石渡運輸までの462kmを10t車で10回、石渡運輸から盛岡市まで485kmを4t車で100回輸送したと仮定
片道分の走行距離のみを考慮し、それぞれの1km当たりのCO2排出量は「ロジスティクス分野におけるCO2 排出量算定方法 共同ガイドラインVer. 3.2」における「みなし燃費」を採用している。
中継輸送を行った場合のCO2排出量を28.0t、行わなかった場合のCO2排出量を42.5tとし、削減効果として14.4tと計算している。この数字は目安であり、実際の輸送地点を用いて計算したものではないという。
ドライバーの労働時間削減効果
輸送回数 |
ドライバー労働時間 |
|
---|---|---|
中継輸送なし |
名古屋市から盛岡市まで833kmを4t車で100回 |
2500時間 |
中継輸送あり |
名古屋市から石渡運輸までの462kmを10t車で10回、 石渡運輸から盛岡市まで485kmを4t車で100回 |
1100時間 |
大きさの異なるトラック間で荷物の詰め替えを行なったことによる走行量の削減により、ドライバーの労働時間を合計約1400時間削減できた。
※試算根拠について
中継輸送なし:輸送回数を名古屋市から盛岡市まで833kmを片道25時間で100回輸送したと仮定
中継輸送あり:名古屋市から石渡運輸までの462kmを片道10時間で10回、石渡運輸から盛岡市まで485kmを片道10時間で100回輸送したと仮定
それぞれの輸送時間は休憩時間を含めた概算の時間を採用しており、数字は目安。
(藤原秀行)