統合提案拒否受け、完全子会社化目指す
AZ-COM丸和ホールディングス(HD)は3月21日、C&FロジホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。同社経営陣から明確な賛同は得ていないが、最終的に完全子会社化することを目指す。
TOBは5月上旬をめどに始めたい考えで、最終的にC&Fロジの完全子会社化を目指す。低温物流を得意とするC&Fロジを傘下に収め、ECや小売業向けなどの物流事業をさらに伸ばしていくことを狙う。TOBは1株当たり3000円で実施することを計画している。
AZ-COM丸和によると、同社は2022年10月、C&Fロジに経営統合を提案したが、C&Fロジは昨年10月、企業文化が違うことやシナジーが限定的とみられることを理由に挙げ、AZ-COM丸和に検討中止を通知、受け入れを拒否した。
しかし、AZ-COM丸和はこうした懸念は想定されず、統合の効果は大きいと判断、TOBに踏み切ることにした。
AZ-COM丸和はC&Fロジの経営陣や株主からの理解を得るため、TOB開始まで時間を置いていると説明。同時に、現時点ではTOB開始を延期する予定はないと説明している。
C&Fロジは2015年、名糖運輸とヒューテックノオリンの経営統合に伴い発足した持ち株会社。マルハニチロや協同乳業、農林中央金庫などが大株主となっており、各社の判断が注目される。
(藤原秀行)