商船三井グループ、大洗~苫小牧航路初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ かむい」の命名・進水式実施

商船三井グループ、大洗~苫小牧航路初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ かむい」の命名・進水式実施

25年初頭就航予定、同年中に4隻体制へ

商船三井と商船三井さんふらわあは4月11日、内海造船で建造中のLNG(液化天然ガス)燃料フェリー2隻のうち、1番船の命名・進水式が同日、内海造船因島工場(広島県尾道市)で行われたと発表した。

式典で本船は、セコマ・丸谷智保会長が「さんふらわあ かむい」と命名した。本船は今年12月に内海造船から引き渡しを受け、25年初頭に商船三井さんふらわあが運航する大洗~苫小牧航路の深夜便に就航する予定。25年中に2番船も同航路で就航する計画。

23年から大阪~別府航路で就航中の「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」と合わせ、25年までに国内東西航路でLNG燃料フェリー4隻体制の運航実現を見込む。


LNG燃料フェリー「さんふらわあ かむい」(プレスリリースより引用)

本船の名前は北海道を中心とした日本列島北部に先住してきたアイヌへの畏敬の念を示し、LNG燃料船という新時代の船をアイヌ語名とすることで、本船が伝統と未来をつないでいくことを表すとともに、就航地の「北海道」を連想してもらうことを意識したという。

また、アイヌは人間の周りのあらゆるものに「カムイ」(神、魂のような大いなる力)が存在し、いつも自分たちを見守っていると考えていることを踏まえ、本船が、豊かな海とかけがえのない地球環境を守る存在となることを願う狙いもあるという。

本船はLNG燃料に加え様々な最新技術を採用することにより、現在北海道航路に従事する既存船よりCO2排出量を約35%抑えられると見込んでいる。

加えて、既存船よりトラックの積載スペースを拡張するとともに、客室の全室個室化でトラックドライバーが快適に過ごせるよう配慮。モーダルシフトを促進し、「2024年問題」の解決に貢献していきたい考え。

(藤原秀行)

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