近畿圏の大規模マルチ型物流施設、空室率は3四半期ぶり低下

近畿圏の大規模マルチ型物流施設、空室率は3四半期ぶり低下

CBRE1~3月調査、新規需要が過去3年間で2番目の高水準

シービーアールイー(CBRE)が4月26日公表した2024年第1四半期(1~3月)の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果によると、近畿圏の空室率は5.3%で、前期(23年10~12月)から0.7ポイント下がった。

空室率が前期から低下したのは23年4~6月以来、3四半期ぶり。

新規供給の3棟のうち2棟が満床で稼働し、残る1棟も高い稼働率を記録した。築浅の物件で満床となった事例もあり、今期の新規需要は8.6万坪に到達。過去3年間の四半期平均で最大だった21年7~9月の9.4万坪に次ぐ高い水準となった。

CBREは「23年竣工物件ではまだ10万坪近くの空室が残っているが、それ以前に竣工した既存物件では空室はほとんどない」と解説。

向こう半年(2四半期)に竣工予定の物件も内定率は現段階で8割を超えるなど、旺盛な需要が続いているという。

実質賃料は1坪当たり4160円で、前期から0.7%と大きく伸びた。


近畿圏の動向

中部圏は6ポイントと大幅上昇、「今後は低下傾向」と予想

中部圏の空室率は16.5%で、前期から6.0ポイントと大きく上がった。上昇は3四半期連続。

2022年以降に大型物件が相次いで完成した上、今期に竣工した2棟がいずれも空室を大きく残していたことが響いた。

ただ、CBREは需給が安定したエリアはプレリーシングが進んでいる物件が複数あることなどを踏まえ、「空室率は今期がピークとなり今後は低下傾向」と予想している。

実質賃料は1坪当たり3630円で、前期から変わらなかった。


中部圏の動向(いずれもCBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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