製品保証引き当て残高は19年3月期末で351億円
油圧機器大手のKYBが5月14日に発表した2019年3月期連結決算によると、昨年発覚した免震・制振用オイルダンパーの性能検査データ改ざん問題で93億4600万円の製品保証引当金および50億1900万円の製品保証対策費を「その他費用」として計上した。
国土交通大臣の性能評価基準(免震のみ適用)もしくは顧客の基準値を満たしていない“不適合品”の交換に要する製作費、工事費、構造再計算費および対応本部諸費用などが該当。台湾に輸出した同様の製品も含まれる。これにより当期における製品保証引当金の残高は351億4600万円となった。
また交換工事が終わっていない不適合品、適合・不適合が不明となっている対象製品数は免震用7227本、制振用4485本の合計1万1712本であることも公表。KYBは4月15日時点で交換対象施設998件のうち52件で作業が完了したほか、108件について工事に着手したと発表している。この中には物流施設が24件あると把握されているものの、具体的な施設名や工事の進捗などについては明らかになっていない。
(鳥羽俊一)