JR貨物、19年度設備投資は前期比倍増強の378億円

JR貨物、19年度設備投資は前期比倍増強の378億円

大半を物流施設開発など鉄道ロジスティクス事業に充当

JR貨物が5月15日に発表した2020年3月期業績見通しによると、当期の設備投資額は378億円と前期(180億円)から倍増強を計画していることが分かった。

このうちの8割以上を物流施設開発や車両の新造、既存施設の維持・更新など鉄道ロジスティクス事業に充当する方針で、新規投資とグループの保有アセットを活用した「鉄道・保管・荷役サービスなどを組み合わせた物流ソリューション」の提案を推進していく構え。

内訳は鉄道ロジスティクス事業が317億円(うちリース27億円)、マンション開発など不動産事業が60億円でいずれも前期を大幅に上回る。

鉄道ロジスティクス事業では現在進めているマルチテナント型物流施設「東京レールゲートWEST・EAST」の進捗状況に言及。WESTは昨年9月に着工し現在は建屋工事に移行しているという。テナントリーシングも積極的に行っており、同12月に第1号テナント(鴻池運輸)を獲得。完成予定の20年2月には満床稼働を目指す。またEASTは昨年12月より基本設計に入り22年8月の完成に向けて取り組んでいる。

このほかレールゲートネットワークの全国展開を視野に他の貨物駅で開発可能性を検討。 保管機能を持たせた駅ナカ倉庫・駅チカ倉庫、トラックと鉄道のスムーズな連携を目的に駅構内や近接地で積み替えステーションの設置についても考察していく。

物流施設以外では新型機関車(EF210-300、HD300、DD200形式)、構内照明設備のLED化、老朽架線の取り替え、次世代ITインフラシステムの導入を挙げている。


主な取組みの進捗状況(JR貨物ニュースリリースより)

(鳥羽俊一)

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