北海道新幹線の札幌延伸、30年度末開業は極めて困難

北海道新幹線の札幌延伸、30年度末開業は極めて困難

建設・運輸機構が見解を斉藤国交相に報告、数年単位遅れる公算大

北海道新幹線の整備を担っている独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は5月8日、検討してきた北海道新幹線の札幌延伸に関し、計画していた2030年度末の完成・開業は極めて困難との見解を国土交通省に伝えた。

トンネル工事の進捗が複数箇所で想定より大幅に遅れていることや、建設現場の人手不足が深刻で4月からはさらに長時間労働規制が強化されたことなどを考慮した。

同機構の藤田耕三理事長が同日、東京・霞が関の国交省を訪れ、斉藤鉄夫国交相に見解を報告した。

今後、国交省の有識者会議で工程を精査した上であらためて開業時期のめどを協議する。数年単位で遅れが生じる公算が大きく、周辺地域の再開発や営業主体のJR北海道の経営再建にも大きく影響しそうだ。

JR北海道は同日、「まずは機構から現在の状況などについて説明いただき、営業主体の立場から必要な協力を行っていく」との談話を発表した。

北海道新幹線は2016年、新青森~新函館北斗間の約149kmで開業した。新函館北斗~札幌間は当初、35年度の完成・開業を計画していたが、地域振興などを重視する政府・与党が5年の前倒しを決めた。

(藤原秀行)

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