海外船社や船級協会と協力、Ro-Ro船からの算定標準化目指す
日本郵船は5月8日、物流セクターの温室効果ガス排出削減を目指す国際的なNPO法人「Smart Freight Centre」(スマート・フレイト・センター、SFC」)に4月23日付で加盟したと発表した。
併せて、自動車専用船などのRo-Ro船による温室効果ガス排出量算定の標準化を目的とした組織「Global Ro-Ro Community」をSFCや北欧の海運会社Wallenius Wilhelmsen(ワレニウス・ウィルヘルムセン)、日本海事協会とともに設立した。
同日、オランダのアムステルダムで開催した最初の会議には、世界各国の船社・船級計10社が参加した。
近年さまざまな企業で、自社の製品やサービスのライフサイクルを通じた炭素排出量(カーボンフットプリント)への関心が高まっており、「輸送」に関わる温室効果ガス排出量の把握はカーボンフットプリント算定に不可欠。Global Ro-Ro Communityは海上輸送に関わる排出量算定の標準モデルを策定し、公平で透明性のある炭素排出量の把握を目指す。
SFCは、オランダ・アムステルダムを拠点に、排出量増加が及ぼす影響の可視化、排出削減のための提案、物流セクターにおける脱炭素化へ向けたガイドライン策定など、地球温暖化対策の推進に取り組んでいる。
併せて、30年までに世界の貨物輸送に伴う温室効果ガス排出量を10億t削減し、50年までに排出量ゼロを実現することで、世界の平均気温上昇を1.5℃以下に抑えることを目標に掲げている。日本郵便の取り組みと方向性が一致しているため、加盟を決めた。
同社は今後、Global Ro-Ro Communityメンバーと公正で透明性のある議論を通じて、排出量の国際的な算定ガイダンス策定を進める。
(藤原秀行)