導入ハードル下げ容易に
船の自動運転技術開発を手掛けるスタートアップのエイトノットは5月23日、小型船舶の一般的な推進機の船外機エンジンに対応した自律航行システム「AI CAPTAIN」の提供を開始したと発表した。
船外機エンジンは、船内スペースの有効活用やメンテナンス性の向上といったメリットから需要が拡大しており、エンジン別出荷実績でも全体の8割強を占めている。船外機エンジンを活用することで、利用までのハードルを下げ、より多くの船舶に自律航行システムを導入できるようになると見込む。
同社は2022年10月、「AI CAPTAIN」を発表して以来、自社の自律航行小型EV船(船外機電動船)で国や自治体の支援を得ながら、瀬戸内海を中心に実証実験を積み重ね、技術的な改善を重ねてきた。
今年2月に愛媛県大三島で海上タクシーを運航している わっかが保有する船外機エンジン船「WAKKA」で自律航行システムの社会実装を実現した。既にわっかが海上タクシー運航の際に使っている。
今後は観光船など旅客向けの船舶に加え、海洋土木工事で使用される作業船や水産関連事業(漁業など)など様々なユースケースへの導入を進めたい考え。
わっかの導入事例
(藤原秀行)※いずれもエイトノット提供