国内の輸送力強化や国際物流効率化に期待
セイノーホールディングス(HD)は6月19日、三菱電機の物流子会社、三菱電機ロジスティクスを今年10月に買収する方針を表明したのを受け、メディアや機関投資家向けにオンラインで説明会を開催した。
セイノーHDの田口義隆社長は買収の狙いについて「いろいろなノウハウを持つ三菱電機ロジスティクスと一緒になることで、掛け算ができる。新たな(物流の)インフラを作っていきたい」と述べ、自社の広範な物流網と三菱電機ロジの半導体の輸送・保管などの知識・経験の連携による相乗効果創出への期待を表明。精密機器などの物流需要を開拓していくことに意欲を見せた。
セイノーHDが6月18日に開示した資料によれば、同社は三菱電機ロジとの連携で「+α」の価値提供が可能になると表明。具体的には、国内の輸送力強化や国際物流の効率化などが可能になり、三菱電機の事業成長にも貢献できるとのスタンスを示している。
三菱電機はセイノーHDの買収後も引き続き、三菱電機ロジ株式を3割超保有する計画。
田口社長は、ラクスルとの合弁で荷物とトラックのマッチングサービスなどを展開している「ハコベル」を活用して車両を安定的に確保できるようにすることや、サプライヤーからの部品の集荷や工場への一括納品を実現して三菱電機の業務負担軽減につなげることを想定していると解説した。
セイノーHDは、国際パートナーの独DBシェンカーや、阪急阪神エクスプレスとタッグを組み、三菱電機の海外事業拡大を後押しできるとアピール。セイノー情報システムが加わることで国際物流を包括的に管理する体制を構築できるとみている。
(藤原秀行)