政府が基本方針策定、自治体にも努力義務
弁当や加工食品などが無駄に廃棄される「食品ロス」を減らすための方策を盛り込んだ「食品ロス削減推進法」が5月24日の参院本会議で可決、成立した。
政府が食品ロス削減の基本方針を策定することを明記するとともに、都道府県・市町村に同方針を踏まえた削減の推進計画を取りまとめるよう努力義務を定めている。削減に向けた活動の機運を高めるのが狙いだ。2019年度中にも施行される見通し。食品の物流の在り方にも影響を及ぼしそうだ。
基本方針を作るのに際し、内閣府に関係大臣や有識者で構成する「食品ロス削減推進会議」を立ち上げることも盛り込んでいる。
基本的施策として、企業に対し国や自治体の施策に協力するよう求めると同時に、消費者にも食品の買い方を工夫することなどで自主的に削減へ取り組むよう要請している。
他にも、食品ロスの実態調査、食品ロスを効果的に抑制できる手法の調査研究、賞味期限に近付いた食品などの有効活用を図っている団体「フードバンク」の活動支援などを列挙。毎年10月を「食品ロス削減月間」として消費者らの関心を高めることも記している。
(藤原秀行)