厚労省ガイドラインに準拠、14.5kmを往復飛行
OKUMA DRONE(オオクマドローン、福島県大熊町)は7月12日、千葉市の「ドローン宅配社会実装サポート事業」で、エアロダインジャパンが提案・採択された補助事業に参画し、7月8~12日の間、エアロジーラボと共同で、無人地帯上空を補助者なしで目視外飛行する「レベル3」のドローンを用いた医薬品輸送の実証実験を行ったと発表した。
実証実験は日本調剤の谷津支店(千葉県習志野市)から物流業者のSBSロジコムが商品を空輸し、片道14.5kmのルートを往復飛行。西船橋市の同社物流拠点から幕張エリアまでの海上ルートをドローンでレベル3輸送し、最終的に総合福祉企業のケア21が運営する高齢者施設「プレザンメゾン美浜」(千葉市美浜区)に搬入した。
OKUMA DRONEなどは都市部や海上でのドローン運用における安全性と効率性の向上を確認したと説明している。
■使用機体概要
・使用機体:エアロジーラボ製 Aerorange G4-S
・形状:マルチコプター型(クアッドコプター)
・機体寸法(長さ×幅×高さ):1280×1280×790(mm)
・飛行時間:最大140分
・飛行速度:70km/h(今回は36~40km/hで飛行)
・耐風性能:15m/s
・最大積載量:5kg
・機体重量:14.3kg(乾燥重量)、19.3kg(最大ペイロード搭載時)
・機体の塗色:黒
・同時に飛行させる機体:1機
エアロジーラボ製 Aerorange G4-S
今回の実証実験では新たな取り組みとして、厚生労働省の「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に対応するため、医薬品輸送専用のボックスを新たに開発し、安全かつ適切な輸送を実現。さらに、運送効率を高めるため、ドローンが着陸せずにウィンチを使用して上空から荷物を降ろし、時間短縮と安全性の向上を図った。
OKUMA DORNEは同ガイドラインに沿って実施、無事に医薬品を空輸できたことで、同ガイドラインに基づいた運用は、今後のドローン物流の標準となることが期待されると指摘。早期の実用化を目指す。
実証実験に参加したスタッフ
(藤原秀行)※いずれもOKUMA DRONE提供