商船三井グループ運航船に米製最適運航支援ツール「Wayfinder」を順次導入

商船三井グループ運航船に米製最適運航支援ツール「Wayfinder」を順次導入

トライアルで1航海当たり平均6%の燃料/温室効果ガス排出削減を確認

商船三井は7月30日、燃費効率改善による温室効果ガス排出削減に向け、米国で海運業界向けソフトウエア開発などを手掛けるSofar Ocean(ソファー・オーシャン)が提供する最適運航支援ツール「Wayfinder」(ウェイ・ファインダー)をグループの運航船に順次導入すると発表した。

Wayfinderは、海洋観測ブイの情報を基にした気海象予測、船の燃費性能、航行制限海域などの制約条件をリアルタイムで反映させ、安全運航・効率運航に最適なエンジン回転数・航路を毎日、各船および陸上の運航担当者に提供する。


最適航路 表示イメージ(黒いラインが運航中の航路、ピンクのラインがWayfinder提案の最適航路)


Sofar Oceanが開発した海洋観測ブイ(Spotter Buoy)

Sofar Oceanが開発した海洋観測ブイ「Spotter Buoy」(スポッター・ブイ)は、波高・潮流といった海洋データをリアルタイムで収集しており、各国政府機関も利用している。

収集した海洋データと衛星からの天候データを組み合わせることで、衛星データのみを活用した旧来手法と比較し、波高を含む気海象予測で約50%の精度高上を実現しているという。船の効率運航は波による影響を非常に大きく受けるため、同社の気象予測の有効性を期待している。

商船三井グループの運航船40隻を通じたトライアルでは、1航海当たり平均約6%の燃料/温室効果ガス排出削減効果を確認した。また、トライアルに参加した80%以上の船長から、利便性や気海象予測の精度について高い評価を受けており、さらなる安全運航・効率運航に寄与するツールとして、グループ運航船への本格導入を決めた。

(藤原秀行)※いずれも商船三井提供

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