111社参加、わき見運転など抑制効果
交通事故削減を支援する次世代AIドライブレコーダー(ドラレコ)サービス「DRIVE CHART」(ドライブチャート)を手掛けるGOは6月20日、東京都内で、今年4~5月に実施した独自の活動「DRIVE CHART交通安全運動2024」の成果報告会を開催した。
GOによると、参加企業は1000kmの走行当たりでわき見運転などリスクのある危険な運転が発生している件数が前年同期比で1社につき平均25%減ったという。中には86%を達成したタクシー事業者もあったという。
報告会に登壇したGOの川上裕幸執行役員スマートドライビング事業部長は「参加される方が横のつながりを持ち、新たな発見をされることで、より事故防止の効果を出していけるのではないかと思い、このイベントを開催した」と説明。引き続き事故防止へ貢献していくことに強い意気込みを見せた。
スマートドライビング事業本部ビジネス開発部の武田浩介部長は「他社とコミュニティを形成することで成果を確認し、共有の目標を設定することにより成果を最大化できる」と指摘した。
登壇した川上氏(上)と武田氏
撮影に応じる(左から)GO・武田部長、全日本交通安全協会・野田健理事長、事例を紹介した大西運輸・清水達也常務取締役と九州日立システムズ総務部・ 中原彩友美主任、ツルヤ交通・高窪要演課長、GO・川上氏
ドライブチャートは外向きと内向きのカメラ2台を車両に搭載。外向きカメラは前方の車両や周辺の歩行者、車線を、内向きカメラはドライバーの顔の向きや目の開閉などをそれぞれチェックする。走行中に録画した動画をAIが分析、わき見や車間距離不足などの危険な運転を検出する。GOによれば、今年2月時点で契約車両が7万台に上っている。
同運動は一般財団法人全日本交通安全協会の後援を得て、社用車を保有する全国の企業111社に所属する4万5000人以上の管理者・ドライバーが合同で事故削減運動に取り組んだ。同運動ではドライブチャートを実際に活用した。
社有車の内訳は一般の営業用が27%、トラックが33%、タクシーが40%だった。
同運動に参加した各社はそれぞれ設定した目標の達成を目指し、わき見運転や車間距離不足といったリスクの高い運転の削減を図った。具体的には、リスク運転が多いドライバーを対象に、安全運転の講習会を開き、修正すべき箇所などを確認するなどした。
GOは目標達成を後押しするため、研修動画(e-ラーニング)を提供したり、ドライバー・乗務員への指導書を作成したりして参加企業をサポートした。
その結果、1000kmの走行当たりのリスク運転の件数が、最も多い企業で前年同期から86%減ったという。参加企業の94.8%が同運動に満足し、ドライバーの73.4%が「安全運転意識が高まった」と回答。安全運転管理者は全員が「安全意識が向上した」と答えた。
また、リスク運転の中でも、一時不停止は41%、急加速は34%、急減速は33%それぞれ減ったという。
(GO提供)
全日本交通安全協会の野田健理事長は「子供が犠牲になる交通事故なども発生が続いている。今回の交通安全運動に参加された企業の方々が、今後とも交通事故のない社会実現へ大いに貢献してくれることを期待している」と強調した。
この日は、GOから同協会へ活動継続をサポートするため、寄付金100万円を贈呈した。
野田理事長
(川本真希、藤原秀行)