首都圏の大規模マルチ型物流施設、空室率は9.7%で横ばい

首都圏の大規模マルチ型物流施設、空室率は9.7%で横ばい

CBRE4~6月調査、国道16号エリアで1年ぶり低下が影響

シービーアールイー(CBRE)は7月31日、2024年第2四半期(4~6月)の大規模マルチテナント型物流施設(延床面積1万坪以上)の賃貸市場動向に関する調査結果を公表した。

首都圏の期末時点の空室率は9.7%で、前期(1~3月)から横ばいだった。物流施設が集積している国道16号エリアで23年第2四半期以来、1年ぶりに空室率が下がったことなどが影響した。

首都圏全体で前期まで3四半期連続で上昇していたが、一服した格好だ。

今期(4~6月)の新規供給は5棟、16.8万坪。このうち2棟が満床で稼働したが、残りの3棟は7割ほど空室のまま稼働したという。

ただ、新規需要は15.0万坪で、2四半期続けて過去5年間の四半期平均を超えた。引き続き、需要は旺盛なようだ。

CBREは今後について、国道16号エリアで新規供給が過去最高水準の23年から24年、25年はともに半減する見込みとなっている上、完成済み施設のフロアの消化も進んでいるため、空室率の低下が見込まれると指摘。その影響で首都圏全体でもおおむね空室率が下がる傾向になると予想している。

半面、24年第2四半期時点で首都圏全体の空室面積は64.2万坪と過去最高水準に達していることから、CBREは「空室率低下のペースは緩やかであることが予想される」とみている。

1坪当たりの実質賃料(共益費込み)は4490円で、前期から0.2%とわずかに下がった。4500円を割り込むのは21年第4四半期(10~12月)以来、1年半ぶり。


首都圏の需給バランス


首都圏のエリア別空室率(いずれもCBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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