遊休農地活用、国内外に出荷図る
センコーグループホールディングス(GHD)と農産物商社の日本農業(東京都品川区西五反田)は8月6日、シャインマスカットの生産・販売を担う合弁会社「ジャパンフルーツロジスティカ」(東京都江東区潮見、JFL)を5月1日付で設立したと発表した。JFLの資本金は1000万円で、両社が折半出資している。
耕作放棄地が拡大しているのを踏まえ、宇都宮市板戸町の遊休農地約2反歩(約20ha)を活用し、シャインマスカットの生産・販売事業を拡大。センコーGHDの物流網と日本農業の販路を通じ、国内への出荷や海外輸出に注力していきたい考え。
JFLは根域制限栽培によるシャインマスカットの生産事業を手掛ける。生産開始から3年目での反収(10a当たりの収量)は2tを目標に設定、生産面積拡大の計画も進めている。
日本国内のぶどうの栽培面積は減少傾向にある中、高品質な日本産ぶどうの輸出量は増加しており、国内外のシャインマスカットの需要に対応できる産地形成を図る。
センコーGHDは物流に加え、ビジネスサポートを手掛ける事業会社が請求書発行などのBPO業務も展開している。JFLの事業拡大に寄与するとともに、センコーグループの事業領域拡大も図る。
センコーGHDは2022年に日本農業へ出資している。
根域制限栽培は、根の分布域を遮根シートとルートラップシートという2枚のシートで制限することで、潅水や施肥など効率的に管理できる手法。従来と比べて小型化した樹体による作業負担の軽減や、樹が整列していることによるシンプルな作業動線など、省力化が期待できる。一定の作業のマニュアル化が可能で作業の標準化も進められる。
定植から2年目で収穫が可能となり、早期多収も見込めるという。安定した品質のシャインマスカットの収量を増やし、高い収益性の確保を狙う。
ぶどうの根域制限栽培の様子(日本農業子会社のジャパンフルーツが運営するぶどう園地)(センコーGHDと日本農業提供)
合弁会社の概要
企業名:株式会社ジャパンフルーツロジスティカ
代表者:寺元謙治(センコーGHD)、伊集院正之介(日本農業) ※共同代表
所在地:東京都江東区潮見2-8-10 潮見SIFビル
設立:2024年5月
資本金:1000万円
出資比率:センコーGHD50%、日本農業50%
事業内容:シャインマスカットの製造・販売
(藤原秀行)