各種ニーズに適合した機体や周辺システムに充当
安全保障・防災・物流などの分野向けに固定翼系の小型無人航空機システムの開発を進めている、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)発のスタートアップ、武蔵スカイプラスは6月6日、Frontier Innovations(フロンティア・イノベーションズ)、インキュベイトファンドのベンチャーキャピタル2社を共同リード投資家として、シードラウンドで総額2億円の資金を調達したと発表した。
武蔵スカイプラスは、JAXA航空技術部門が長年研究・開発に取り組んできた、航空技術全般の成果を踏まえた小型無人航空機システムの知財・ノウハウの、社会実装を推進している。調達した資金はよりハイスペックで各種ニーズに適合した機体と周辺システムの開発・提供に充てる。
(武蔵スカイプラス提供)
JAXAは研究・技術検証用のプロトタイプとして、UARMS(固定翼小型無人航空機)とQTW(4発ティルトウィングVTOL=垂直離着陸機)を開発してきているほか、小型無人航空機システムの中核となる制御計算機(FCC)や飛行計画を生成・管理する地上局ソフトウェア、機体開発・運用に必要なシミュレータや支援ツール群を手掛け、構成要素から統合システム開発まで一気通貫して対応できる、国内でも稀有な体制を構築している。
各技術はJAXAが独自に設計・実装した純国産のソースコードを活用しており、高度なセキュリティが求められる環境でも対応可能という。
武蔵スカイプラスはJAXAで培ってきた国産の基礎技術を核に据え、ユーザー要求や適用機体に応じたカスタマイズや機能追加を行い,システムを提供していく構え。
(藤原秀行)