コロナ禍から回復受け、酒類の迅速調達後押し
カクヤスグループの佐藤順一会長は5月22日、東京都内で飲食業界向けの酒類展示会を開催したのに併せて現地で記者会見した。
佐藤会長は、個人経営の飲食店など向け小型出荷倉庫「サテライトステーション(SS)」について、2024年は10カ所程度増設する考えを明らかにした。
SSは首都圏を中心に、60坪程度の規模で展開。飲食店などの注文を受け、短時間でスピーディーに酒類などを配達する。
佐藤会長は「個人経営の飲食店(向け売り上げ)は新型コロナウイルス禍前の数字を超えている一方、宴会を中心としたチェーンの大型店舗はまだ7割ほどまでしか回復しきれていない。個人経営の飲食店が回復しているのに当社としてどう応えていくかが課題だ」と指摘。
SSを拡充することで、飲食店の酒類などの調達漏れがあっても迅速に配達、すぐにカバーできるようにし、経営をバックアップしていきたいとの狙いを示した。
会見する佐藤会長
また、SSの出店余地については「一番重要なポイントは車付けが良いこと、つまりトラックで積み降ろししている間も他の車が自由に通行できることなので、他の流通の方々が探している物件とはちょっと毛色が違う。この場所で?と他の方々が思うところでも当社にとって適地なのはよくある。そういった物件を探していくのが一番大きなポイント」と説明。SSを開発できる可能性のある場所はまだ多いとの見方を表明した。
会見に同席した前恒内洋行社長は、カクヤス店舗などからの商品配達要因の確保に関し「採用環境が良くなることは恐らくない。当社は売り上げの85%が配達関連なので、人材確保が重要」と解説。
「拠点数が増え、1拠点当たりの配達エリアがどんどん小さくなっており、楽に届けられるようになっている。自動車免許がなくても台車やリヤカーでお届けできるのが差になっている」と語り、人材確保の優位性をアピールした。
(藤原秀行)