欧州進出加速などに充当へ
屋内に特化したドローン自律飛行システム「MarkFlex Air(マークフレックスエアー、MFA)」を開発するSpiral(スパイラル)は8月26日、プレシリーズA(会社創生期)ラウンドでNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)、三菱UFJキャピタルなど複数のVC(ベンチャーキャピタル)、事業会社、個人投資家を引き受け先とする第三者割当増資を実施、3億円を調達したと発表した。
各社の具体的な出資額は開示していない。Spiralはこれまでに2.3億円を調達しており、累計で5.3億円に達した。
MFAは屋内などのGPSが届かない環境でも独自の国際特許技術によるマーカーを用いることで、ドローンの自律飛行を可能にするシステム。世界中の山岳トンネル現場をはじめとするトンネル現場から多くの引き合いが寄せられているという。
調達した資金はMFAの中核となるMFAコントローラの量産開発に充てる予定。また、2019年から進めてきた欧州展開も加速させるため、エンジニアを中心にグローバルの人材採用と陣容拡大にも注力する。
資金調達を通じて「屋内の自律飛行ドローンの導入を検討している現場技術者の救世主となる」とのミッションをグローバル規模で実現していきたい考えだ。
土木現場での点検・監視ソリューション(イメージ、Spiral提供)
具体的には、土木領域で活用できる非GPS環境におけるドローン自律飛行技術の開発加速と日本・欧州同時のサービスリリースを目指すほか、これまでの点検・監視サービスに加え自律飛行ドローンを用いた全自動測量技術の開発、システムインテグレーターやリース会社をはじめとしたソリューションパートナー企業の開拓とアライアンス構築も進める。
NXHDはSpiralの欧州進出で連携。NXグループ各社と2024年1月に子会社化したウィーンに本拠地を置くcargo-partnerがタッグを組み、ドローン関連機材の輸送・配送や現地での保管などを通じてSpiralの海外進出を支援する。cargo-partnerの倉庫内にドローンのデモフライト環境を構築している。
(藤原秀行)