延べ床面積東京ドーム6・3個分、7社入居・満床で稼働
三菱地所とラサール不動産投資顧問、NIPPOは6月3日、川崎市の臨海エリアで共同開発し、今年5月末に完成したマルチテナント型の巨大物流施設「ロジポート川崎ベイ」をメディアに公開した。
地上5階建て、延べ床面積は東京ドーム約6・3個分に匹敵する29万6798平方メートルと1棟では現時点で国内最大級の規模。ワンフロア当たり最大で18区画に分けられる設計としており、既に物流企業など7社が入居を決め、満床で稼働した。事業費は非開示。
「ロジポート川崎ベイ」の全景(3社提供)
新施設は首都高の東扇島ICから約1・5キロメートル。川崎港に至近な立地となっているほか、羽田空港まで約9キロメートル、東京港(大井埠頭)まで約18キロメートルなど各種物流インフラに近接し、都心部へのアクセスにも強みを持つ。2023年度には近隣で臨海道路東扇島水江町線が完成予定。
1~4階は高床、5階は低床と機能を変え、さまざまなテナントニーズに対応できるよう配慮。庫内にトイレを多めに設けているほか、900台以上の通勤用駐車場や120台以上のトラック待機場を整備。休憩室やシャワー室、コインランドリーなども取り入れ、働きやすい環境の整備に努めている。
1階のフロア。中央に車路を通した共有の設計
最上階から海側を見た光景。東京湾を目前に控え、近隣には「かわさきファズ」などがある
最上階から内陸側を見た光景
1階の休憩室。明るい色調にするなどリラックスできる環境にしている
5階の休憩室。周囲を一望できる
5階のフロア。低床としている
施設最内で記者会見した三菱地所の細包憲志執行役常務は「今回は(3社で連携し)非常に安心して事業を進めさせていただいた。満床稼働は立地の素晴らしさとともに、昨今課題になっている従業員対策を比較的手厚く施していることも一助になっているのではないか」と笑顔を見せた。
ラサールの永井まり執行役員は「立地はかなり良く各幹線道路へのアクセスが非常に優れており、消費地をカバーできると考えている」と性能をアピール。NIPPOの橋本祐司取締役専務執行役員は「当社はJXグループの一員であり、JXTエネルギーが開発用地の所有者だったというご縁もあって開発の仲間に入ることができた。今後も機会があれば(開発を)ご一緒に展開させていただきたい」と抱負をのぞかせた。
会見する(左から)橋本氏、永井氏、細包氏
テープカットに臨む細包氏(左から2人目)とラサール不動産投資顧問・キース藤井社長(中央)、橋本氏(右から2人目)ら(3社提供)
(藤原秀行)