大分の物流企業NBSロジソル、福利厚生で高血圧オンライン診療を全トラックドライバーに導入開始

大分の物流企業NBSロジソル、福利厚生で高血圧オンライン診療を全トラックドライバーに導入開始

刀子会社と連携、脳血管疾患・心疾患などの「健康起因事故」回避目指す

マーケティング支援を手掛ける刀(大阪市)の子会社で医療サービスを担うイーメディカルジャパン(東京都千代田区大手町)と、日本全国に40拠点を展開し800台以上のトラックなど運輸車両を運営している物流企業のNBSロジソル(大分県日田市)は10月16日、高血圧のオンライン診療サービスを、NBSロジソルに所属する全ドライバー約500人向けに福利厚生の一環として導入すると発表した。

両社は物流業界で初めての取り組みと説明している。年齢などの制限は特に設けず、10月に活用を始め、2025年4月までに全ドライバーへ導入する計画。

オンライン診療の導入により、高血圧を主なリスク要因とする心筋梗塞などの心臓疾患、くも膜下出血などの脳血管疾患、大動脈解離などを未然に防ぎ、健康起因の重大事故を回避できると見込む。

導入に際しては、イーメディカルジャパンのオンライン診療サービス「イーメディカル」を採用。トラックドライバーは全国を飛び回る業務の中で血圧測定を習慣化しづらい環境のため、血圧計とアプリの連動で簡単かつ便利にセルフマネジメントができるようサポートする。

通院が必要な従業員は午前6時~午後11時(土日祝日含む)に受診できる上、同サービスにより全国どこからでも診療してもらえるため、格段に血圧対策のハードルを下げられるとみている。

政府の調査によると、過去に健康起因事故を起こした運転者の疾病別内訳で心臓疾患(心筋梗塞など)、脳血管疾患(くも膜下出血など)、大動脈解離など高血圧を主なリスク要因とする疾患が約32%を占め、運転者の死亡が発生したケースは3つの疾患で約79%を占めているという。


令和4年度 国土交通省 事業用自動車健康起因事故対策協議会「健康起因事故発生状況と健康起因事故防止のための取組」より 健康起因事故の疾病別の内訳(平成25年~令和3年)

新サービスは全額、企業型の負担とし、25年4月以降は毎日の血圧測定をルール化、人事評価などとも連動させることを想定している。

(藤原秀行)※いずれも両社提供

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