兵機海運、富洋海運グループからの事前同意なきTOBに「意見表明留保」

兵機海運、富洋海運グループからの事前同意なきTOBに「意見表明留保」

質問への回答内容踏まえ、特別委員会が勧告へ

兵機海運は10月30日、外航海運事業を手掛ける富洋海運グループがTOB(株式公開買い付け)を実施していることに対し、取締役会として意見を留保することを決めたと発表した。

TOBは富洋海運傘下の堂島汽船(大阪市)が10月18日に開始。期間は11月29日までで、1株当たり3250円で買い付ける。

富洋海運はTOBの理由について、兵機海運と資本・業務提携を締結して事業のシナジーを創出することが狙いと説明。TOB開始時点で富洋海運は兵機海運株式の1.17%を、堂島汽船は0.01%をそれぞれ所有している。TOBで20%近くまで保有比率を高め、提携の交渉入りを促すことを目指している。

兵機海運はTOBに関し、事前に富洋海運側から具体的な条件などの連絡がなかったと説明。社外取締役2人と外部の弁護士による特別委員会を設置することを決めた。今後、事前の連絡なしにTOBに踏み切った理由などを富洋海運に質問、回答が届き次第、特別委の勧告や意見を踏まえ、あらためてTOBへの意見を検討すると説明している。

兵機海運によると、富洋海運が今年4月、資本・業務提携を提案してきたのに対し、兵機海運は同6月、提携を受け入れない旨を回答していた。富洋海運からTOBの実施について、開始前日の10月17日に連絡があったという。

(藤原秀行)

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