国交省、「輪軸」不正めぐりJR貨物に事業改善命令へ★続報

国交省、「輪軸」不正めぐりJR貨物に事業改善命令へ★続報

一連の不正で初の行政処分に

国土交通省は10月30日、JR貨物が貨車や機関車を整備する際、車輪に軸を取り付けた「輪軸」を組み立てる作業でデータを改ざんするなどの不正を行っていたのを受け、同社に対し、鉄道事業法に基づく事業改善命令を出す行政処分を講じる方針を決めた。

同日、JR貨物に対し、行政手続法に則り、希望する場合は行政処分への弁明書を11月6日までに提出できる旨、通知した。

輪軸をめぐっては、JR貨物以外の鉄道事業者でも相次ぎ発覚している。この問題で行政処分が出れば、JR貨物が初めてとなる。

JR貨物は9月、山口県の新山口駅で7月に貨物列車の脱線事故が起きた後、広島車両所で車輪に軸を押し込む作業をしていた際、社員からの申告があり不正が発覚したと発表。不正を行っていたのは北海道支社輪西車両所(北海道室蘭市)、関東支社川崎車両所(川崎市)、関西支社広島車両所(広島市)の3カ所で、計約600両分でデータの改ざんがあったという。

国交省が鉄道事業法に基づき、JR貨物に特別保安監査を行った結果、こうした不正を確認。車輪に車軸を押し込む際の圧力が基準を超えた場合、基準値内に収まったようにデータを書き換えるなどしていた。

国交省は併せて、同様の不正があったJR東日本などの鉄道事業者に10月30日付で再発防止を図るよう行政指導した。

(藤原秀行)

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