影響製品のリスト化まで完全自動化
防災テックを手掛けるSpectee(スペクティ)は11月19日、製造業のサプライチェーンが直面するリスクの把握と対処をサポートするサービス「Spectee Supply Chain Resilience」(Spectee SCR)に関し、グローバルなサプライチェーン・リスク情報を一元管理する機能を大幅に拡張したと発表した。
製造業の多くでは、リスク発生時にインターネットやテレビ報道から最新情報を集め、サプライヤーに電話やメールで被害状況を確認し、その結果をエクセルで集計・報告するなど、大量の工数と時間を要している。
さらに、夜間や休日の突発的なリスクにも即応する必要がある一方、属人的になりがちで担当者の対応力に多く依存してしまうことも課題だった。
そうした問題の解決を後押しするため、Spectee SCRは世界中のリスク情報の一元管理機能を大幅に強化し、あらゆる状況下でも的確かつ迅速にサプライチェーン・リスクを可視化できるようにした。
具体的には、自社拠点における被災の有無の特定、アンケートを活用したサプライヤー拠点への最新状況の確認、生産に影響を与える製品のリスト化までを自動化し、迅速かつ正確な対応を実現する。
世界中のリスク情報を詳細な位置情報まで取得し、世界各地のローカルニュースや気象データ、地震といった災害情報などに基づいて被災拠点を絞り込めるようにしている。リスク情報に関連する拠点を自動で検知し、通知や地図上での可視化を通じて、迅速かつ的確な対応をサポートする。
また、被災の可能性があるサプライヤー拠点に対して、自動でアンケート依頼のメールを送付。拠点の最新のステータスを一覧表示し、迅速に状況を把握できるようバックアップする。
発生したリスク事象やアンケートの回答結果などを自動的に集計し、影響を受ける製品をリスト化。正確性と速報性を向上させながら、対応に必要な工数を大幅に削減できると想定している。
同社は今後、サプライヤーを巻き込むことで、さらに深層のサプライヤー情報を可視化し、サプライチェーン全体を網羅的に把握できるような機能の追加を予定している。
(藤原秀行)※いずれもSpectee提供