upr・酒田社長「アジアナンバーワンのパレットレンタル会社に」

upr・酒田社長「アジアナンバーワンのパレットレンタル会社に」

東証上場受け会見、年10%程度の事業成長期待

パレットレンタルやアシストスーツ開発などを手掛けるユーピーアール(upr)は6月12日、東京証券取引所第2部に上場したのに伴い、都内の同取引所内で記者会見した。

酒田義夫社長は、今後もパレットレンタル事業は年10%程度の成長が見込めると強調。日本に加えて海外でも事業基盤を強化し「将来はアジアナンバーワンのパレットレンタル会社になりたい」と目標を語った。

また、官民挙げての「ホワイト物流」推進運動の影響で業務効率化の機運が高まりレンタルパレットの需給がひっ迫している現状に関しては、利用数が拡大していることは認めつつも、多様な種類のパレットを準備して顧客のニーズへ柔軟に対応していることなどから、供給に大きな支障はないとの見通しを示した。


記者会見する酒田社長

年間40万枚程度を補充し拡大の基礎確立

酒田社長は上場に踏み切った理由として「社会の基礎を成す物流を支えるパレットレンタルは非常に公共性のある事業だと思っている。プライベートなカンパニーでいるよりはパブリック(な存在)になった方がいい」と説明。併せて、社会的信用力向上による人材獲得なども理由に挙げた。

上場初日の終値が公募価格を上回ったことについては「投資家の皆さま方から非常にいい評価をしていただき、身の引き締まる思い。今後期待に応えられるようしっかりと経営していきたい」と表明。さらに「上場がゴールではなく、さらに成長を拡大するための手段だと思っているので、やっとここまで来た、これからだという気持ち。まだまだ発展途上」と成長拡大へ強い意気込みを述べた。

パレットレンタル事業の展望に関しては「現在日本では2000万枚強のレンタルパレットがあるといわれているが、全体ではまだ4%程度のレンタル化率。もっと需要は増えてくるだろう。まだまだ手荷役の業界もたくさん残っている」と期待を示した。

同社は現在、約415万枚のレンタルパレットを全国150超のデポで取り扱っている。酒井社長は今後年間40万枚程度を補充し、事業を着実に伸ばしていく基礎を確立したいとの考えを発表。上場で調達した資金もパレット購入に充てることを明かした。

投資から回収まで5~7年、海外は着実に基盤整備

レンタルパレットの需給ひっ迫に対しては「通常であれば連休明けにパレットが返却されてくるが、今年は特に消費増税が10月にあるということで、メーカーさんが作りだめしたり、店舗も在庫を確保したりしたためにそうした傾向がなく、非常にタイトだった」説明。同時に「当社の特徴として、非常に多くの、幅広いサイズのレンタルパレットを展開している。ニーズはある程度高止まりはしているが(安定して)提供はできている」と強調した。

パレットレンタルは現在、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムに進出している。酒井社長は「日本企業がかなり出られており、マーケットも伸びてくると思う。パレットレンタルは投資から回収まで5~7年かかる。まずはしっかりと基盤を作っていくことが大事」と日系企業や現地企業の需要開拓に努める姿勢を見せた。

アシストスーツに関しては、軽量で安価なオリジナルの「サポートジャケット」の販売に引き続き注力するとともに、パワーが必要とされる現場向けに既存機種より安価で軽量の新商品を開発し、市場開拓を加速させる方向性を示した。

(藤原秀行)

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