環境価値も、20年にわたり
プロロジスと住友生命保険は12月2日、温室効果ガスの排出量削減といった環境価値を取引する「バーチャルPPA(電力販売契約)」のサービス契約を締結したと発表した。
住友生命が同サービスを利用するのは初めてで、政府が市場価格を参照して再生可能エネルギー発電事業者に補助金を出す「FIP制度」を使う。
供給する電力はプロロジスが開発した物流施設「プロロジスパーク岡山」(岡山市)と「プロロジスパーク盛岡」(岩手県矢巾町)の屋根面に可能な限り設置される太陽光発電設備を活用する。
具体的には、プロロジスが住友生命に「プロロジスパーク岡山」で設置した太陽光発電設備の発電量全1.2MW分の環境価値と、「プロロジスパーク盛岡」の屋根太陽光発電容量5.7MW分のうち4.6メガワット分を20年にわたり提供する予定。
住友生命はFIP基準価格が高い「屋根設置」の太陽光を使えることなどを評価、長期締結に踏み切った。実際の提供開始は2025年12月。「プロロジスパーク盛岡」の発電容量の残り1.1MWは同施設への自家消費に振り分ける。
プロロジスパーク岡山
プロロジスパーク盛岡
一般にPPAは発電事業者が電力の需要家に再生可能エネルギー電力を直接売却する契約形態を指す。一方、バーチャルPPAは電力とその環境価値を切り離して別個に流通させる形態が特徴。
発電事業者は物理的な制約を受けず、離れた場所からの環境価値提供が可能となり、需要家はこれまで通り小売電気事業者と電気需給契約を結びながら契約対象設備の発電量分の環境価値を証書として手に入れることができるのがメリット。
さらに需要家は、新たな再エネ発電設備に直接投資できるため、社会全体の再エネ拡大に貢献できる点を広くアピールできる。
(藤原秀行)※いずれもプロロジス提供