BtoBのコールドチェーン物流サービスに関する日本提案の国際規格「ISO31512」が発行

BtoBのコールドチェーン物流サービスに関する日本提案の国際規格「ISO31512」が発行

事業者の海外展開後押し狙い

国土交通、経済産業の両省は12月11日、国際標準化機構(ISO)で日本が提案・開発をリードしてきたBtoBのコールドチェーン物流サービスに関する国際規格(ISO31512)が12月6日付で正式に発行したと発表した。

国交省は今後、コールドチェーン物流の需要が旺盛なアジア諸国をはじめ、世界各国で同規格の普及を図り、日本の物流事業者の海外展開を後押ししていきたい考えだ。

経済成長が続くアジアでは冷蔵・冷凍食品の国内流通量が著しく伸び、流通段階で温度管理を伴う質の高いコールドチェーン物流(低温輸送・低温保管サービス)への需要が高まっている。しかし、
一部の国は温度管理が不十分で、適切な水準のコールドチェーン物流網の構築が追いついていない。

日本は政府が2021年6月に閣議決定した「総合物流施策大綱(2021~2025年度)」で、日本の物流事業者が高まるアジア諸国の物流需要を取り込むため、日本の高品質なコールドチェーン物流サービスなどの国際標準化や普及を重要施策の一つに位置付け、施策を進めてきた。今回のISO発行もその一環。

2020年5月には小口保冷配送サービスに関する国際規格「ISO23412」、19年6月には日本式の企業間コールドチェーン物流サービスに関する民間規格「JSA-S1004」がそれぞれ正式に発行。

その後、19年11月に、日本の提案を受けて新たな技術委員会(コールドチェーン物流に係る技術委員会、TC315)が発足。21年9月からJSA-S1004を原型とした国際規格の作成が始まった。

国交省は新規格普及で日本の物流事業者のサービス品質が適切に評価され、国際競争力を強化できるほか、日本の農林水産物・食品の輸出拡大、各国におけるコールドチェーン市場の健全な育成と拡大に寄与していくと期待している。

規格の概要

正式名称:ISO 31512:2024 Cold chain logistics services in the business to business (B to B) sector – Requirements and guidelines for storage and transport

(藤原秀行)※国交省報道発表資料より引用

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