他のASEAN諸国への横展開も視野
貿易情報一元化システム「TradeWaltz」(トレードワルツ)を展開しているトレードワルツは12月17日、スタートアップのHAKOVO(ハコボ)が手掛けている、インドネシア税関への電子的な輸出入申告を可能にするプラットフォーム「HAKOVO」(ハコボ)と連携し、日本からインドネシアへの輸出における貿易手続きの大幅な効率化を実現すると発表した。
12月からTradeWaltzとHAKOVO間で連携、商用利用を可能にした。トレードワルツが実施してきた海外連携の中で、商用利用が実現した最初のケースという。
今回の連携は、日本貿易振興機構(JETRO)のサプライチェーン多元化等支援事業を活用して実施した。2023年11月にプロジェクトをキックオフし、数か月間にわたってプラットフォーム連携に向けた要件定義・開発・システムテストを続けてきた。
24年9月からは、パートナー企業の協力を得て実証試験をスタート。連携の有効性を確認できたため、プロジェクト終了とともに、12月から商用利用に踏み切った。
(トレードワルツ提供)
実証試験では、日本の輸出者がTradeWaltzに入力した船積書類データを、HAKOVOを通じてインドネシアの輸入者と直接連携。インドネシア側では、連携したデータを使い、輸入者と通関業者間のやりとり、さらには通関業者から税関への輸入通関を、紙を全く使わずに済ませられるという。
連携でデータの確認作業、インドネシア側でのシステムへの入力などに従来18時間を要していた税関申告時間を37分へ、96%短縮できた。通関業者の作業工程数は58%減り、取引当たりのコストも67%抑制できたという。
今後は日本輸出-インドネシア輸入における幅広い商流の貿易取引への展開を予定している。利用ユーザーの増加を受け、ニーズに合わせてインドネシア輸出-日本輸入の商流にも対象商流を拡大していくことを想定している。
併せて、タイやベトナムなど他のASEAN(東南アジア諸国連合)各国への横展開も視野に入れており、アジア全域での貿易手続きの電子化を推進していく構え。
(藤原秀行)