商船三井系CVCのMOL PLUS、低温メタン分解技術開発するフィンランドのスタートアップに出資決定

商船三井系CVCのMOL PLUS、低温メタン分解技術開発するフィンランドのスタートアップに出資決定

さまざまな産業の脱炭素推進見込む

商船三井系のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、MOL PLUSは1月9日、低温メタン分解技術を開発するフィンランドのスタートアップHycamite TCD Technologies(ハイカマイト)に出資することを決めたと発表した。具体的な出資額は開示していない。

Hycamiteはフィンランド・オウル大学の応用化学における長年の研究を生かし、独自の低温メタン分解技術を用いて、メタン分子を「ターコイズ水素」と固体炭素に分解する技術を開発している。

ターコイズ水素はCO2排出ゼロ・低コストで製造できる上、固体炭素は高品質・顧客ニーズに合わせて現地生産可能という利点を持ち、大量生産できるのも強み。

MOL PLUSは2024年10月、Hycamiteと海運業におけるCO2排出量削減の取り組みを共同で推進する覚書を締結した。Hycamiteのソリューションがさまざまな産業の脱炭素に貢献できるとみて、出資に踏み切った。


フィンランドのコッコラにあるヨーロッパ最大のHycamiteメタン分解プラント施設(MOL PLUS提供)

ターコイズ水素は天然ガスの主成分のメタンを用いて、熱分解して生成した水素を指す。製造工程でCO2を排出せず、水素生産コストが非常に安価な点がメリットだが、製造時の熱分解温度が高く、品質や活用に課題のある固体炭素が同時に生成されるため、利用が進んでいなかった。

(藤原秀行)

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