Specteeが国内初、気象業務法に基づきAI(機械学習)モデル用いた洪水予報業務で許可取得

Specteeが国内初、気象業務法に基づきAI(機械学習)モデル用いた洪水予報業務で許可取得

リアルタイムに高精度の河川水位予測提供目指す

防災テックスタートアップのSpectee(スペクティ)は1月15日、気象庁から1月6日付で、気象業務法に基づく民間事業者による洪水予報業務の許可を取得したと発表した。

同社は、AI(機械学習)モデルを用いた洪水予報業務としては国内で初めて許可を取得したと説明している。

 
 

政府は2023年5月に気象業務法を改正し、これまで国や都道府県が担ってきた洪水や土砂災害の予報業務に民間事業者が参入しやすい仕組みを整備した。国が定める基準に適合する技術であれば民間事業者も洪水予報が可能となり、大雨災害による被害軽減が見込まれている。

Specteeはこれまで、SNSや気象データ、河川カメラ等の多様なデータとAIを活用して、「危機」情報を分析・通知し、迅速な情報提供を通じて災害対策を支援してきた。特に、ゲリラ豪雨や線状降水帯といった局地的な豪雨で短時間に河川水位が急激に上昇する中小河川の水位予報業務は、Specteeが持つリアルタイムデータやAI技術との親和性が高い分野と捉えている。

洪水予報業務は、水位観測データや降水量予測データなどを基に、AIモデルを活用して、リアルタイムに精度の高い河川の水位予測を提供する。中でも、豪雨時にまず危険性が高まる中小河川を対象とした水位予測を強化し、被害の軽減や迅速な避難行動の促進に貢献することを目指している。

これまでもリアルタイムに浸水の影響範囲を地図上に表示する「リアルタイム浸水推定」を提供しており、今回の技術を組み合わせることで、洪水リスクをより広範囲にわたり可視化し、災害対応の迅速化と高度化を支援していきたい考え。

(藤原秀行)

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事