既存船よりCO2排出35%抑制見込む
商船三井は1月22日、同社が保有し、グループの商船三井さんふらわあが運航を担うLNG(液化天然ガス)燃料フェリー「さんふらわあ かむい」が、1月21日に茨城県の大洗で就航したと発表した。
既存船「さんふらわあ だいせつ」の代替として、茨城県と北海道を結ぶ大洗~苫小牧航路を運航する。
「さんふらわあ かむい」
「さんふらわあ かむい」は主にLNG燃料を使用する高推進率エンジンの搭載に加え、斜め向かい風から受ける揚力を推進力として活用する「ISHIN船型」や、内海造船が開発している省エネ装置「ステップ(Spray Tearing Plate)」など、様々な最新技術を導入。現在、大洗~苫小牧航路に従事している既存船よりCO2排出量を約35%抑えられるようにしている。
加えて、既存船より貨物車両の積載スペースを拡張し、客室の全室個室化でトラックドライバーがよりリラックスできるよう配慮。モーダルシフトをサポートし、「物流2024年問題」の解決に努める。
フィットネスルームやキッズスペース、プロムナード、展望浴場、サウナなどの充実したパブリックスペースや、ペットと一緒に乗船できるウィズペットルームも新たに取り入れた。
「さんふらわあ かむい」は2023年から大阪~別府航路で運航中の「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」に続き、商船三井さんふらわあが運航する国内3隻目のLNG燃料フェリーとなる。
25年初夏に就航予定の姉妹船「さんふらわあ ぴりか」と合わせ、25年中に大洗~苫小牧航路、大阪~別府航路で、LNG燃料フェリー4隻体制の運航を実現する予定。
商船三井さんふらわあは、北海道から九州までの全国6航路でフェリー10隻、RORO船4隻を運航し、国内最大の航路網と運航隻数を誇る。
商船三井さんふらわあの運航航路(いずれも商船三井提供)
(藤原秀行)